『えのき』の『き』、狭心症

こんにちは。

最近の青森市は暑い日が続きますね。

マスクを付けていると熱中症になりやすいと言われています。こまめな水分補給や室温管理に加えて、環境に応じてのマスクの着脱(密でないところではマスクをはずす等)を意識していただきたいと思います。

 

今日は太い血管の合併症、『狭心症・心筋梗塞』についてです。

 

狭心症と心筋梗塞

糖尿病の太い血管の合併症は、3つの頭文字をとって『えのき』と覚えます。

えのきは

 :壊疽(えそ)

 :脳血管障害(脳梗塞)

 :狭心症・心筋梗塞(冠動脈疾患)

です。

 

心臓に酸素と栄養分を運ぶ血管を冠動脈(かんどうみゃく)と言います。心臓の表面を覆っている血管です。

心筋梗塞(しんきんこうそく)とは冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心筋(心臓を動かす筋肉)が壊死してしまう病気です。


狭心症(きょうしんしょう)は、冠動脈の内径が狭くなった状態で、まだいくらかは血流があります。よって、心筋梗塞のほうがより危険で重篤と言えます。


心筋梗塞と狭心症を合わせて虚血性心疾患と呼びます。「虚血性」とは「血液が足りない」という意味です。

 

虚血性心疾患は動脈硬化が進むことで発症します。

 

動脈硬化

血管が柔らかさを失い硬くなってしまうことを動脈硬化(どうみゃくこうか)と言います。動脈硬化が進むと血管が厚みを増し内径が狭くなってしまいます。

 

糖尿病は動脈硬化の進行を早めますので、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めてしまいます。

 

また、脂質異常症や高血圧症、喫煙やストレスなどでも動脈硬化は進みますので、糖尿病だけでなく他の生活習慣病を良い状態に管理しておくことが大事です。

 

狭心症・心筋梗塞の症状

 

心筋梗塞の発作時は時間との勝負になります。

 

発作が起きてから治療開始までの時間が、(命が助かるかどうか)(後遺症の程度)に大きく影響します。

 

心筋梗塞の典型的な症状は、『激しい胸の痛み』『冷や汗』『呼吸困難』などです。このような症状が現れた時には躊躇せず救急車を呼場なければなりません。

 

狭心症では『締め付けられるような胸の痛み』や、早期だと『(労作時;体を動かした際の)息切れ』があります。

 

ですが糖尿病神経障害があると典型的な症状が出ないこともあります。

 

『肩こり』や『胃痛』が実は心筋梗塞だった!ということもあります。

 

私が実際に経験した例では、『歯痛』の訴えで心筋梗塞だった方もいました。

普段と何か違うなと感じたら些細なことでも相談していただけると助かります。狭心症や心筋梗塞を疑えば、心電図測定や専門施設への紹介等を行います。

 

狭心症・心筋梗塞を防ぐには

 

①動脈硬化を進める病気を治療すること

 が重要です。糖尿病の治療目標はHbA1c 7%未満です。

 

また脂質異常症がある方はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)120mg/dL未満、中性脂肪 150mg/dL未満、HDL コレステロール(善玉コレステロール)40mg/dL以上を目指します。

高血圧がある方は収縮期血圧(上の血圧)130mmHg未満、拡張期血圧(下の血圧)80mmHg未満が目標です。

 

②生活習慣の是正

まずは禁煙です。タバコは癌(がん)のリスクとなるだけでなく動脈硬化を進めてしまいます。自分も若い頃は1日20本吸っていた時期があり、禁煙には苦労しました(8回くらい失敗しました)。タバコの味も知っていますが、それ以上に健康リスクも知っていますので患者さんの禁煙を積極的にサポートしていきたいと思います。

 

またストレスの管理や、急な温度変化(風呂場の脱衣所など)を避けること、適切な酒量(今後のブログで紹介予定です)なども重要です。

 

繰り返しになりますが、動脈硬化による『えのき』を防ぐには糖尿病だけ治療していてはいけません。

 

上記の血圧やコレステロール、タバコやストレス、体重など様々な要因を管理していく必要があります。

 

当院では採血検査や血管年齢測定、体組成計などの検査を患者さんの状態に応じて施行し、積極的に疾患予防に取り組んでいきます。

 

(今朝の陸奥湾。風がなくて海面がキレイでした)

 

⦅ かきざき 糖尿病内科クリニック ⦆ 

 〔※ 一般の内科外来も行っています〕

 〔専門医による糖尿病外来〕〔甲状腺外来〕

 〔糖尿病療養指導資格を持った管理栄養士による栄養指導〕

  青森県青森市篠田2-20-15

  017-757-9080