
ネクセトール💊〜本日発売
みなさんこんばんは。
2025年11月21日(金)
コレステロール管理が重要な理由
新薬「ネクセトール」登場の背景
ネクセトールはどんな薬?
高コレステロール血症の治療に新しく加わったネクセトール(ベムペド酸)は、これまでの薬とはまったく異なるアプローチをとる内服薬です。
その特徴をご紹介します。
① 新しい作用点を持つコレステロール低下薬
ネクセトールは ATPクエン酸リアーゼ(ACLY) という酵素をブロックする薬です。
この酵素は、肝臓でコレステロールが合成されるごく初期の段階に関わっています。
⬜︎一般的なスタチン:コレステロール合成経路の“後半”を抑える
⬜︎ネクセトール:より“上流”を抑える
という違いがあり、スタチンとは違う位置を抑えることで、肝臓のコレステロール産生をさらに効率よく減らすことができます。
② LDL受容体を増やして「悪玉コレステロール」を減らす
肝臓でのコレステロール合成が減ると、肝細胞は血液中のLDLコレステロールをより多く取り込むようになります。
これは LDL受容体が増える ためで、その結果血中のLDL値が下がっていきます。
③ 筋肉でほとんど活性化しない=筋痛が起こりにくい
ネクセトールが注目される理由のひとつに、筋肉への作用がほぼない という点があります。
この薬は肝臓でのみ活性化される構造を持っており、筋肉ではほとんど薬が作用しません。
そのため:
•スタチンで筋肉痛や倦怠感が出やすい方
•筋症状のためスタチン治療を継続できなかった方
にも比較的使いやすい薬と考えられています。
臨床試験で確認された効果
世界的な医学誌 NEJM(New England Journal of Medicine) に掲載された
CLEAR Harmony試験(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803917)
では、ネクセトールを12週間使用した患者で
•LDLコレステロールが平均16.5%低下
という結果が示されました。
スタチンやエゼチミブで十分な効果が得られなかったケースでも、LDL低下の上乗せが期待できる薬です。
また、スタチンが使いづらい患者さんでの有効性について、
スタチンの副作用(筋肉痛など)が原因で内服継続が難しい方を対象に行われた
CLEAR Serenity試験
では、
ネクセトールを使用した群で
•LDLコレステロールが平均21.4%低下
という結果が得られました。
さらに、薬による不快症状の出現率は比較的低く抑えられており、スタチン不耐容の患者さんにとって “代替手段として使える” ことが確認されています。
心血管イベントに対する効果も検証
さらに、2023年には NEJM(New England Journal of Medicine) にて、ネクセトールの心血管予防効果を評価した大規模研究 CLEAR Outcomes試験 が報告されています。
(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2215024)
この研究にはおよそ 1万4,000名の心血管疾患ハイリスク患者 が参加し、ネクセトールを長期間使用することで心血管イベントがどれほど抑えられるかが調べられました。
その結果、
• 心筋梗塞・脳卒中などを含む主要心血管イベントが約13%減少
という有意な効果が確認されています。
LDLコレステロールを下げるだけでなく、実際のイベント抑制につながる可能性を示した点で、非常に重要な研究といえます。
副作用と安全性について
ネクセトールは比較的扱いやすい薬とされていますが、副作用がゼロというわけではありません。
注意が必要なポイント
• 高尿酸血症(5%以上)
尿酸値が上昇し、痛風発作につながることがあります。
• 肝機能・腎機能の異常
頻度は高くありませんが、報告はあるため定期的な検査が推奨されます。
そのため、治療を行う際には脂質だけでなく、尿酸値・肝腎機能のチェックも並行して行うことが重要です。
家族性高コレステロール血症(FH)について
(論文を読むのが間に合わず、、 続きは次回のブログで。)申し訳ありません。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38341323/
今日はここまで。 ご不明点ございましたら遠慮なく診察室で聞いてください!

(薪ストーブ、今年も始まりました)
2025年11月21日 18:05
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