
甘酒=体に良い?糖尿病と血糖コントロールの視点から
こんにちは 管理栄養士の下山です⛄️
すっかり寒くなり、温かい飲み物が手放せない季節になりました☕️
この時期は夏と違って汗をかきにくくなるので自覚症状のない方も多いですが、暖房の使用による乾燥で体の水分も不足しがちです。
喉が渇く前にこまめな水分補給を心がけましょう。
私は体を冷やさないようにマイボトルに白湯を入れて水分補給をしています☺️
さて、温かい飲み物といえば、この時期になるとスーパーやドラッグストアでは「飲む点滴」などと目立つように店頭に置かれていたり 雪まつりなど屋外のイベントで販売される機会が増えるものといえば・・・
そう 「甘酒」です。
最近は砂糖を低カロリー甘味料に置き換えた低糖質タイプもあるようです🔍

低糖質タイプは1本あたり(185g)で35kcal、糖質7g ※糖質量:スティックシュガー約2本分

通常のものは1本あたり(190g)で108kcal、糖質24gとカロリーも糖質も高めです。 ※糖質量:スティックシュガー約8本分

甘酒が「飲む点滴」と言われる理由
「甘酒は“飲む点滴”」と呼ばれるのは、以下のような栄養素が含まれているからです。
ブドウ糖(エネルギー源)
米麹の酵素によってデンプンが分解され、ブドウ糖が多く含まれます。
そのため、エネルギー補給にすぐ使える=「点滴の糖分」と似た働きがあることから、“飲む点滴”と呼ばれるようになりました。
ブドウ糖は速やかに体内へ吸収されるので、血糖値の急激に上がるリスクがあります。
市販の甘酒(100mlあたり)には、およそ糖質15〜20g前後(=ごはん半膳分ほど)が含まれています。
アミノ酸
米麹甘酒には、少量ですが麹菌の発酵によって作られたアミノ酸が含まれています。 甘酒には
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疲労回復や倦怠感の軽減
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筋肉量の維持(代謝アップ)
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免疫力のサポート
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肌や髪の健康維持
などの効果があると言われることもありますが、それらはアミノ酸の効果に期待されるものです。 アミノ酸は普段の食事の肉・魚・大豆製品・卵・乳製品などのたんぱく質からも十分に摂取することができます。
ビタミンB群
ビタミンB1・B2・B6などが含まれ、糖や脂質の代謝を助け、疲労回復や肌の健康にも関わります。
ビタミンB群はそれぞれこんな食品に豊富に含まれています。
ビタミンB1…豚肉、玄米・雑穀ごはん、大豆・納豆・豆腐
ビタミンB2…卵、牛乳・ヨーグルト、納豆・アーモンド、青魚(サバ・イワシなど)
ビタミンB6…鶏むね肉・ささみ、マグロ・カツオ、バナナ、にんにく
管理栄養士からのひとこと
甘酒は栄養豊富な発酵食品ですが、糖質量が高く高カロリーであるため、糖尿病の方やダイエット中の方の常飲は控えた方が良いでしょう。
また、甘酒に含まれる体に良いとされるアミノ酸やビタミンB群などの栄養素は普段の食事からも十分に摂ることができます。
健康効果を期待して常飲するのではなく、嗜好品としてイベントの際などたまに楽しむ程度が良さそうです。

日の出前の三沢
2025年11月12日 10:05
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